屋外で配線などの敷設時に使用される結束バンドは紫外線や高温など常に過酷な環境に置かれているため、その多くは早期に劣化して炊く目を果たせなくなり交換が必要になります。
特に海岸沿いなどでは塩害の影響を強く受け、強度が急激に下がってしまいます。その一方で耐候性や耐熱性、耐薬品の基準を満たした結束バンドであれば、それらの環境であっても長期にわたり強度を保ち続けることが可能です。塩害と言えば海の近くのみだと考えてしまいがちですが、実は寒冷地でも塩害は存在しています。
降雪地帯では道路の安全を確保するために凍結防止剤を散布することがありますが、それに含まれている塩化カルシウムの影響によって塩害が発生することがあります。したがって海とは全く関連性の無い生活圏で使用していても塩害について考慮する必要があります。ナイロンの強度を表す規格では主に一般的な生活圏で使用される結束バンドは11ナイロンのものが価格もリーズナブルで広く普及していますが、塩害対策には66ナイロンのものが使用されます。
しかし、それでも不十分な場合はさらに凍結防止剤に含まれている塩化カルシウムの耐性試験に合格した製品を利用すれば安心です。塩化カルシウム水溶液に1回漬けるのを1サイクルとして強度を調べる試験では、66ナイロンが急激に強度が落ちて50サイクル以内に切断されてしまう一方で、試験に合格した製品では50サイクルを超えても新品同様の強度を保ち続けます。生活圏の近隣で凍結防止剤を使用している環境で結束バンドを利用する際には、耐塩化カルシウム試験に合格した製品を購入するのがおすすめです。