融雪剤は車を錆びさせることで有名ですが、実はケーブルも成分の影響を受けて劣化することがあります。
一般的に使われている代表的な成分は塩化カルシウムで、金属やコンクリートを始めとして、植物などにも被害を与えるケースが少なくないです。いわゆる塩害と呼ばれるこの被害は、対策を行なわなければどのようなものでも、影響を受け続ける限り劣化が進みます。融雪剤を変更するのが1つの手ですが、コストを考慮するとケーブル側で対策を行う方が現実的です。耐塩害仕様のケーブルは融雪剤にも有効で、影響を最小限に留めたり、過酷な環境でも寿命が発揮できるようになっています。
通常の配線用資材と異なるのは、素材に塩分の影響を受けないものが使われていたり、耐久性を上げる加工などが施されている点です。その為コストは通常品よりもアップしてしまいますが、トラブルやメンテナンスの手間が省けるので、そういう意味ではむしろお得だと考えられます。融雪剤を変えてしまえば、既設のケーブルがそのまま使えるものの、コストが2倍以上に膨れるので頭を悩ませます。性能的に見ても、従来の塩化カルシウムと同等の代替製品はまだ少なく、決定打となる塩害対策の答えは出ていない状況です。
現実的には、やはりケーブルを融雪剤に耐えられるようにするのが無難で、これが1つの有力な答えとなります。選択肢が少ないのは難点ですが、屋外に設置するタイプの製品は徐々に増えていますから、今後は選択肢が充実して選びやすくなると思われます。案外忘れがちですが、結束を行うバンドも塩害の影響を受けてしまうので、耐えられる仕様のものや素材を選ぶことが大事です。