結束バンドは、建物の建設に伴う電気設備工事において配線時のケーブルを束ねたり、空調設備工事での冷媒管と制御ケーブルの共巻きなどに用いられています。
結束バンドには樹脂製と金属製があり、屋外露出のケーブルの結束には対候性の強いステンレスバンドや亜鉛めっきのバンドが用いられていて、屋内隠ぺいの配線には樹脂製が用いられます。対候性のある樹脂製の結束バンドならば、長期にわたる屋外使用も可能です。バンドは設備工事の専用電材との認識が強いのですが、自作パソコンでも使用することもあります。自作パソコンは、ケースにマザーボードやCPUやメモリーやグラフィックボードを組み入れたものですが、これらのパーツ同士を電気的につなぐケーブルがあります。
グラフィックボードの補助電源ケーブルやケースの冷却ファンの電源ケーブル、ストレージデバイスをマザーボードにつなぐシリアルATAケーブルは、どうしてもケース内で絡まったりして、ケースの冷却のための空気の流れを阻害してしまいます。結束バンドでこれらのケーブルを適切に縛ることで、内部の空気の流れが乱れたり熱の滞留の心配がなくなります。熱の滞留は、CPUなどの元々発熱のある部品をさらに熱くしてしまい、安定した稼働ができなくなるだけでなく、パーツそのものの寿命が短くなります。
電気設備工事においても、パソコンケース内においても同様に、ケーブルはむやみな曲げをすることなくかつ適切な本数をバンドで結束することが大切です。あまり急激な曲げをしたケーブルは、内部の銅線の断線に繋がったり、ケーブルは電流によって発熱するため、多くを結束するとかなりの熱が蓄積されてしまいます。これらに注意してバンドを用いることで、安全に機能性の高い運用ができます。